HOME 〉

FEATURE / MOVEMENT

和食×イタリアン、栗の楽しみ方徹底研究

いばらきの栗フェアが始まります!

Nov 19, 2021

【PROMOTION】
text by Rieko Seto / photographs by Masahiro Goda, Tsunenori Yamashita

栗は日本では縄文の古来から食され、貴重な栄養源、そして甘味として珍重されてきました。ヨーロッパでも焼き栗をはじめ様々に活用される親しみ深い果実です。そんな栗の奥深い食文化に触れるべく、「日本料理 ときわ」西塚茂光さんと「リストランテ フィオッキ」堀川亮シェフが対談。茨城県産の栗を食べ比べながら、品種やブランドの個性を生かした楽しみ方を探ります。

栗を品種別に食べ比べる!

「日本料理 ときわ」西塚茂光さん(左)は、2000年に銀座で「馳走 啐啄(そったく)」を開店。昨年西麻布へ移転し、装いを新たに茶事の心で客をもてなす。「リストランテ フィオッキ」堀川亮さん(右)は25歳で渡伊し、ピエモンテ州やトスカーナ州で修業。2000年祖師ヶ谷大蔵に「フィオッキ」を開店。昨年店内を改装し、テイクアウト、リストランテ、ズッペリアの複合店へと変身した。

西塚 秋の料理には、やっぱり栗が欠かせませんね。栗ご飯は好きな人が多いですし、食後の栗きんとんも必ず用意します。

堀川 そうですね。うちでも季節に2~3品は用意します。でも、栗そのものの良さを引き出して調理するのは、圧倒的に日本料理ですよね。和の栗料理のおいしさは日本人のDNAに刷り込まれていて、見るだけでもう、おいしいとわかる。

西塚 おいしいものと刷り込まれているぶん、逆に無頓着になりやすい面もありますね。イタリアで栗というと、どんな風に食べられているのですか?

堀川 イタリアの栗は全般的に小さいので、焼き栗にしてそのまま食べることが多いですね。あとはいつも通りのパスタやスープに入れて、「栗と食べるのもおいしいよね」という感じで。栗の粉やペーストを使うことも多いです。

西塚 日本の栗も昔は小さくて、栗ご飯にするのなんて面倒くさくて(笑)。小さい頃はよく、生でそのまま食べていました。この「水栗」は生の栗を巴の形に剥いて水に浸けたもので、昔から遠州流のお茶席で主菓子の前に供されていた記録があります。

堀川 (水栗を食べて)みずみずしいですね。噛んでいると甘味を感じます。

生の栗を巴に剥いて水に浸けた「水栗」は、毒消しの意味もあるという。

西塚 今回は、茨城県産の栗4種類を食べ比べて調理するということで、まずはそれぞれ蒸して試食してみました。僕にとっては初めての経験です。

堀川 僕もです。

左上から時計回りに岸根(がんね)、筑波、石鎚、飯沼栗(品種:石鎚)。見た目はわかりにくいが、食べてみると味の違いは明らか。対談では、皮を剥いて蒸したものを試食。

西塚 筑波(つくば)は、生で食べてもおいしいですね。風味がいいのが気に入って、すり流しを作りました。生ですりおろしてだしと合わせると、栗のでんぷんが働いてしっかりとろみがつくんです。

堀川 香りがいいですね。

西塚 すり流しに浮かべた揚げ栗は、岸根(がんね)です。こちらは甘味がありますね。

堀川 そうですね、甘味が強くて粉質なのが特徴だなと思いました。僕は岸根を低温ローストにして、ザバイオーネソースと合わせたデザートにしました。細かくしすぎず、形を残すことで粉っぽい質感のおいしさを感じでもらえるよう、低温でじっくりローストして風味を際立たせました。

「筑波のすり流し」
生栗をすりおろして一番だしと合わせ、ごく少量の塩で調味して自然なとろみのすり流しに。衣をつけて揚げた岸根の渋皮煮を浮かべて。

「岸根の低温ロースト ホロホロ鶏の卵のザバイオーネソース 白トリュフをかけて」
皮を剥いて低温でゆっくりローストした岸根に、ホロホロ鶏の卵を使った口当たり軽やかなザバイオーネソースをかけ、相性のよい白トリュフとともに。

西塚 石鎚(いしづち)もおいしかったですね。栗きんとんにすると、栗らしい風味がしっかり感じられて。

堀川 この4種類の中では、いい意味で中間的な存在。食感はちょっと硬めだったかな。蒸すとサツマイモのようだったので裏漉して、ニョッキのようなロンバルディア州の郷土パスタを作りました。栗はグルテンが出ず、薄力粉を少し加えるだけでまとまってくれ、食感よく仕上がります。乳製品との相性もすごくいいです。


「石鎚のきんとん」
皮を剥いて蒸した石槌を裏漉し、少し砂糖を加えて練り込んだきんとんを、粒あんのまわりにふんわりまとわせた、秋の定番菓子。

「石鎚とリコッタのマルファッティ スペックのクリームソース」
蒸して裏漉した石鎚とリコッタチーズに少量の薄力粉を加え、丸く成形したマルファッティ。ヴァルテッリーナ・カゼーラ(牛のセミハードチーズ)とスペックのソースをかけ、石鎚の素揚げを散らす。

西塚 飯沼栗は大きくてきれいな栗ですね。茨城県の下飯沼地域固有のものだし、味と香りがよくて、食感もしっとりしていて、もうこれは栗ご飯にするしかないだろうと。

堀川 特徴的ですよね。この大きさを生かしたくて、鹿肉と合わせてアスピックにしました。森を感じさせる要素もほしいと、リンゴやセロリを加えています。和食とは逆に、そうした様々な味覚と一緒に栗を食べるのが面白いと思って。

西塚 これは、すごいですね。

堀川 まあ、見た目は見事に栗羊羹になりましたけれど(笑)。

「飯沼栗の栗ごはん」
有機栽培米と剥いた栗に、昆布だしとクリスマス島の塩を少し加えて炊き上げ、飯沼栗本来のおいしさをシンプルに。

「鹿と飯沼栗のアスピック バター風味のマヨネーズソースとマリーゴールド」
森をイメージし、じっくり煮込んだ鹿肉とそのスープを、赤ワインを加えた飯沼栗の渋皮煮とともにゼリー寄せに。自家製のマヨネーズは、栗と相性のよいカカオとビーツを加えて色鮮やかに。

西塚 栗ごはんも、すり流しも、栗きんとんもいたってシンプルな料理なので、栗の良し悪しや個性がそのまま出る。栗って品種でこんなに違うんだなと感じました。

堀川 僕もです。今までも茨城県産の栗をずっと使っていたのですが、品種で比べたことはなくて、面白かったですね。

西塚 茨城は質の高い食材がたくさんありますね。来年からは「この料理はあの品種の栗で」と、料理ごとに言えそうな気がします。

堀川 イタリア料理だとどうしても煮込むような料理になってしまうので、1個で見せるというか、シンプルに栗の持ち味や香りを表現してみたいなと思いました。

西塚 僕も、もうちょっと一つひとつの料理や食材を深掘りしないといけないな、と。一生懸命作っている生産者のためにも、僕らがそういう使い方をしていくのが大事かなって思いますね。


◎日本料理 ときわ
東京都港区西麻布1-9-7シュウエツレジデンスⅡ1F
☎03-3405-1237
12:00~13:00LO 17:00~20:00LO
日曜、祝日休
https://www.tokiwa-nishiazabu.jp/

「いばらきの栗フェア」
2021年11月18日(木)~12月2日(木)の期間中、「飯沼栗の栗ごはん」「石鎚のきんとん」をコース(昼16200円~、夜19800円~)の一品として提供

◎リストランテ フィオッキ
東京都世田谷区祖師谷3-4-9
☎03-3789-3355
平日19:00スタート
土曜、日曜、祝日12:00スタート/18:30スタート
水曜、木曜休
https://www.fiocchi-web.com/

「いばらきの栗フェア」
2021年11月18日(木)~12月2日(木)の期間中、「鹿と飯沼栗のアスピック」をコース(14000円)の一品として。「石鎚とリコッタのマルファッティ」は2Fの姉妹店「ズッペリア・オステリア・ピティリアーノ」にてアラカルト(2970円)で提供

◎ズッペリア・オステリア・ピティリアーノ
https://www.zo-pitigliano.com/


和食、イタリアン、中華、フレンチ、デザートで味わう「いばらきの栗フェア」


2021年11月18日(木)~12月2日(木)都内10店で開催

店舗の営業時間等は変動する可能性がございます。詳細は各店舗にご確認ください。

フェア開催店(登場順)
西麻布「日本料理 ときわ」
祖師ヶ谷大蔵「リストランテ フィオッキ」
虎ノ門「unis(ユニ)」
溜池山王 中国料理「星ヶ岡」(ザ・キャピトルホテル 東急)
神保町「ジロトンド」
西麻布「ISSEI YUASA」
銀座「季苑(KION)」
赤羽橋「レストラン ローブ」
新宿三丁目「イルラート」
谷中「和栗や」

■虎ノ門「unis(ユニ)」

MENU 飯沼栗のデクリネゾン

ハレの日のおもてなしをコンセプトとする8席限定のシェフズテーブルで、素材と生産者の思いを大切にデザートをつくる「unis」シェフ・パティシエの江藤英樹さん。飯沼栗とは今回が初めての出合い。「使い方によって味わいや質感が変わって、茹でるとしっとり、焼くとすごく甘くなり、渋皮煮は口の中でとろけるよう。『すごいな、この栗は』と思いました」と語る。その感動をそのままに仕上げたデザートは、渋皮煮、蒸し栗、茹で栗、焼き栗と、様々なアプローチで飯沼栗の多彩な魅力を引き出した。

まず、土台となる温かい生地には、渋皮煮の飯沼栗を練り込んで、栗の甘味と香りをしっかりと感じさせる。その上にきび糖を加えてじっくり煮た栗のピュレを絞り、クルミのクランブルとミルクジャムをアクセントに。さらに、茹で栗と焼き栗を削りかけ、渋皮煮を混ぜこんだミルクアイスクリーム、横には渋皮煮を丸ごと1個。蒸し栗を練り込んだ栗の形のチュイールと金粉が華やかさを添えている。できあがったデザートを見て、「なんか栗がうれしそうですね」と微笑む江藤さん。様々な表情を見せる飯沼栗の味わいに、心躍ること間違いなしだ。

シェフ・パティシエの江藤英樹さん。フランスで修業後、銀座「ベージュ アラン・デュカス 東京」で研鑽を積み、銀座「ドミニク・ブシェ トーキョー」、神谷町「SUGALABO」、銀座「ティエリー・マルクス」(現在は閉店)でシェフ・パティシエを務める。2020年、東京・虎ノ門「unis」のシェフ・パティシエ、「Social Kitchen TORANOMON」のディレクター・パティシエに就任。


◎unis(ユニ)
東京都港区虎ノ門1-23-3 ヒルズガーデンハウス1F
平日17:00~、20:00~の一斉スタート
土曜12:00~、18:00~の一斉スタート
日曜、月曜、火曜休
https://unis-anniversary.com/

「いばらきの栗フェア」
2021年11月18日(木)~12月2日(木)の期間中、掲載のデザートをコース(30800円)の一品として提供

■溜池山王 中国料理「星ヶ岡」(ザ・キャピトルホテル 東急)

MENU 茨城県産岸根栗とつくば茜鶏の醤油煮

MENU 茨城県産岸根栗の飴炊き 金木犀の香り

東京・永田町にある「ザ・キャピトルホテル 東急」の中国料理「星ヶ岡」は、上海料理の伝統を守りつつ、繊細かつダイナミックに表現するレストラン。シェフの山橋孝之さんが岸根(がんね)を試食して頭に浮かんだのは、上海の伝統的な丸鶏の醤油煮込みだ。「岸根の強い甘さとほくほくした食感に驚きました。中国には昔から『栗と肉は相性がよい』と一緒に煮込む料理があるので、丸鶏と合わせてみようと」。油でさっと揚げてから、カラメルと紹興酒がベースの醤油だれで煮込んだ鶏は、しっとりと旨味たっぷり。とろみのあるたれのやさしい甘味が岸根の甘味と響き合い、まろやかなハーモニーを醸し出す。

一方デザートは、塩味の鶏だしを加えて渋皮煮にした岸根を渋皮ごと香ばしく素揚げし、揚げたてを飴でコーティングしてパリパリに仕上げたひと品。鍋に残った飴を熱いうちに箸につけて糸を引かせ、華やかに栗の上に盛り付ける。「アクセントに自家製の金木犀(きんもくせい)のジャムを添えました」。“時ならざるもの食すべからず”とは、山橋さんも大切にする孔子の教え。秋の味覚を心ゆくまで満喫したい。

シェフの山橋孝之さん。横浜中華街の飲食店やホテル内の中国レストランなどで研鑽を積む。2008年「ザ・キャピトルホテル 東急」に入社し、2021年よりシェフを務める。日本中国料理協会主催のコンクールで、2018年銀賞、2019年金賞を受賞。


◎中国料理「星ヶ岡」
東京都千代田区永田町2-10-3 ザ・キャピトルホテル 東急2F
☎03-3503-0871
11:30~14:00LO 17:00~21:00LO
無休
https://www.tokyuhotels.co.jp/capitol-h/restaurant/hoshigaoka/

「いばらきの栗フェア」
2021年11月18日(木)~12月2日(木)の期間中、掲載の料理をアラカルトメニューで提供。「茨城県産岸根栗とつくば茜鶏の醤油煮」一人前3542円、「茨城県産岸根栗の飴炊き 金木犀の香り」ハーフ4粒/2530円、小盆8粒/4807円(すべて税金・サービス料込)


■神保町「ジロトンド」

MENU 栗(筑波)のミネストラ

7年間のイタリア修業のうち、約6年間をエミリア=ロマーニャ州の山あいにある「トラットリア アル ガンベロ ロッソ」で過ごした「ジロトンド」シェフの阿部修久さん。「家族経営の店で、おばあちゃんがシェフを務めていて、休み時間にはおじいちゃんと一緒に山へ食材を採りに行く。食材から季節の移り変わりを感じることが多くありました」。
秋に必ず作っていたのは「栗のミネストラ」。皮を剥いて茹でた栗とうずら豆に少量のタマネギと豚の脂を加えて炒め、栗の茹で汁を合わせてミキサーに。浮き身として茹でた栗を加えて温め、オリーブ油を回しかければ、とろりとしていて滋味深く、風味豊かなスープのできあがりだ。

今回使用した栗は、粉質で甘味が強く、香り豊かな茨城県産の筑波(つくば)。
「茹でて食べるだけでも風味がよくて、ほっくりしていながらしっとり感もあって、そのおいしさをシンプルに生かしたいと思いました。栗だけでは甘くなってしまうのでうずら豆を加えてとろみを出し、ローリエで香りをつける以外、味つけは塩だけ。イタリアの郷土料理らしい味わいに仕上げられたと思います」

シェフの阿部修久さん。神奈川県内のイタリア料理店を経て渡伊し、エミリア=ロマーニャ州の「トラットリア アル ガンベロ ロッソ」、「トラットリア アメリーゴ」、「トラットリア ジュリアーナ」にて修業。2018年帰国し、2019年「ジロトンド」シェフに就任。


◎ジロトンド
東京都千代田区神田神保町1-36−1
☎03-5244-5245
平日17:00~22:00LO
土曜15:00〜21:00LO
日曜休
Instagram:@girotondo_jinbouchou

「いばらきの栗フェア」
2021年11月18日(木)~12月2日(木)の期間中、掲載の料理をアラカルト(2名分1800円、写真は1名分)、もしくはコース(5500円~)の一品として提供

■西麻布「ISSEI YUASA」

MENU アグー豚の炭火焼 飯沼栗のキャンティ風ロースト

「ISSEI YUASA」のシェフ、湯浅一生さんが茨城県を訪れ、飯沼栗の産地を視察したのは昨年のこと。「収穫後に何度も選別し、保湿しながら冷蔵で熟成すると聞き、そうした意味を理解したうえで調理しないとだめだと思い、昨年から取り組んできました」
導き出したのは、ゆっくり火を入れる2つの調理法だ。一方は約200℃のオーブンで殻ごとじっくり塩釜焼きに、もう一方は鬼皮を剥いた飯沼栗をニンニク、ローズマリーと共にオリーブ油に浸し、約170℃のオーブンでローストしてから渋皮を剥いた。
「塩釜焼きは、飯沼栗の繊細な甘さが一番生きるやり方だと思います。オイル煮は、イタリアではジャガイモなどで行う調理法ですが、風味を逃さず表面はパリッ、中はほろっとしっとり。この大きさの栗だからできる調理です」

そしてトスカーナでは、栗といえばイノシシや豚、ポルチーニと合わせるのが定番。アグー豚の炭火焼き、ポルチーニのピュレ、豚やイノシシの骨と肉でとった赤ワイン風味のソースを添え、トスカーナの秋を感じさせるひと皿に仕上げた。「日本には素晴らしい食材があり、それを使ってイタリアの本質からぶれない料理をつくるのが、僕の目指すところです」

シェフの湯浅一生さん。麻布十番「リストランテ キオラ」などを経て渡伊。トスカーナ州とエミリア=ロマーニャ州で約2年間修業。帰国後、横浜「SALONE2007」、南青山「IL TEATRINO DA SALONE」を経て、渋谷「BIODINAMICO」シェフを務める。2020年、恵比寿「湯浅一生研究所」シェフに就任し、2021年同店移転に伴い、「ISSEI YUASA」シェフに就任。


◎ISSEI YUASA
東京都港区西麻布1-4-22 アートスクエア西麻布1F
☎03-6804-1191
18:00~23:00
日曜休
Instagram:@issei_yuasa_

「いばらきの栗フェア」
2021年11月18日(木)~12月2日(木)の期間中、掲載の料理をコース(19800円)の一品として提供


■銀座「季苑(KION)」

MENU 飯沼栗のすり流し×満寿泉 オーク樽熟成貴醸酒

創作和食と日本酒とのペアリングをコースで供する店として、2021年4月、銀座に誕生した「季苑」。ともに20代の料理人と唎酒師が議論を重ねて作り上げる味わいのハーモニーが、訪れる人の心をとらえている。「飯沼栗は繊細な甘味があって、少しコクも感じられる。それをどう生かすかがテーマでした」と、料理長の鈴木健也さん。2人で話し、料理にはあまり砂糖を使わず、お酒の甘味で飯沼栗らしい風味を引き立たせることにしたという。
「すり流しは、蒸した飯沼栗をタマネギと炒めて鶏がらのだしと合わせ、すりおろした栗とサツマイモを発酵させた自家製の“ミキ”(奄美大島特産の発酵飲料)と牛乳でのばして自然な甘さに。そこに豚ヒレ肉と舞茸の旨味、カカオニブとアルガンオイルのナッティさを加え、上に甘味を抑えた飯沼栗の渋皮煮をのせました」

唎酒師の土井貴文さんが選んだ、ハチミツのような甘やかな「満寿泉 オーク樽熟成貴醸酒」と合わせると、栗の香りと重なってふくよかで芳醇な味わいに。「料理の余韻とお酒、もしくはお酒の余韻と料理を合わせると、飯沼栗の穏やかな香りが生きてバランスよく重なると思います」と土井さん。驚きと発見のある調和が楽しめる。

料理長の鈴木健也さん(左)は、ITベンチャーに3年勤めた後料理人を志し、2020年より島根県海士町の「島食の寺子屋」で1年間料理を学ぶ。2021年6月より「季苑」料理長に。唎酒師の土井貴文さん(右)は、大学在学中に日本酒に魅了され、2019年に唎酒師の資格を取得。翌年には山形県の桜川酒造で1カ月研修し、酒造りを学ぶ。2021年より現職。


◎季苑(KION)
東京都中央区銀座8-7-10 FORGED Bld. B2F
☎03-6263-8180
17:00~21:00close
日曜休
https://www.kion-ginza.jp/

「いばらきの栗フェア」
2021年11月18日(木)~12月2日(木)の期間中、掲載の料理をコース(8000円~日本酒ペアリング付き)の一品として提供

■赤羽橋「レストラン ローブ」

MENU 七谷鴨 赤味噌と椎茸のデュクセル 栗の鬼皮と朴葉の燻製/岸根と鴨腿肉のパテ/飯沼栗とフォアグラ、トリュフ風味のクロメスキ

MENU マロンとコニャック

日仏の食文化を融合したモダンフレンチを味わえる「レストラン ローブ」。シェフの今橋英明さんは今回、岸根(がんね)と飯沼栗、2種の栗を使い、京都の七谷鴨(ななたにかも)をメインに一皿を作り上げた。ローストした鴨肉に細かく刻んだシイタケと赤味噌を塗り、岸根と飯沼栗の鬼皮と朴葉で燻して香りをプラス。付け合わせは岸根を蒸して鴨肉のパテに加え、シイタケで巻いて食感を生かす。甘味の強い飯沼栗はペーストにしてフォワグラ、トリュフと合わせ、クロメスキ(小さなコロッケ)に。変化に富んだ多彩な味と香り、食感が響き合い、味わう人に秋の深まりを感じさせる。

一方、「岸根は蒸して少し塩を足すと風味が引き立ち、飯沼栗は甘い蜜を足すと旨味が出ますね」と話すのは、パティシエの平瀬祥子さん。モンブラン仕立てのデザートは、温かい飯沼栗の渋皮煮にサブレ、マスカルポーネとコニャックのアイスクリーム、飯沼栗のマロンクリームをふんわりと絞り、蒸して裏漉した岸根に雪塩を合わせて上からふりかける。栗そのものの甘味や風味を生かした、穏やかな味わいが魅力的だ。

シェフの今橋英明さん(左)はフランスで修業後、原宿「Restaurant-I」で副料理長を務めると同時に農業にも従事。2013年より同店のシェフに就任し、2016年「レストラン ローブ」開店。パティシエの平瀬祥子さん(右)は、フランスで修業後、六本木「Édition Koji Shimomura 」、原宿「Restaurant-I」でシェフ・パティシエを務め、2016年、今橋さんと共に独立。


◎Restaurant Lʼaube
東京都港区東麻布1-17-9 アネックス東麻布2F
☎03-6441-2682
11:30~12:30LO、18:00~19:30LO
日曜、月曜休
https://www.restaurant-laube.com/

「いばらきの栗フェア」
2021年11月18日(木)~12月2日(木)の期間中、メインの鴨料理を14300円のコースの一品、デザートは9900円(昼のみ)、14300円のコースの一品として提供


■新宿三丁目「イルラート」

MENU ゴルゴンゾーラのジェラート モンブラン仕立て

「イルラート」のシェフ、古井繁規さんが大切にしているのは、季節感と旬の良質な食材を使うこと。豊洲市場に毎朝通い、「茨城は農業大国だから、栗だけでなく野菜のレベルも高いですよね。茨城の栗もよく使います。スープにしたり、肉やキノコと合わせて煮込んだり、リゾットや付け合わせにすることも」。今回は石鎚(いしづち)を使って、モンブラン仕立てのデザートに。
「石鎚はいい意味でクセがなくて使いやすいですね。邪魔になるような甘ったるさもないので、味つけも自由にできます。クセがないからこそクセのある食材と合わせようと、ジェラートにはゴルゴンゾーラチーズを選びました」

石鎚は皮を剥いてからシロップで炊き、生クリームと合わせてとろりとやわらかなマロンクリームに。これをゴルゴンゾーラチーズのジェラートの上に絞り、渋皮煮にした石鎚をのせる。口に運ぶと、散りばめられた香ばしいヘーゼルナッツのメレンゲも相まって、ひねりある奥深い味わいがいっぱいに広がっていく。「日本の栗はヨーロッパの栗に比べて味わいが淡泊なのがいいところ。ほろほろした食感の良さも生かしたいと思っています」

シェフの古井繁規さん。銀座「ヒビノ」を経て、イタリア・ピエモンテ州のリストランテ数軒で1年ほど修業。帰国後、新宿三丁目「オステリア・オリエーラ」で9年、南青山「リストランテ・ペガソ」で2年シェフを務める。2021年独立。


◎IL LATO
東京都新宿区新宿3-6-2 栄ビル4F
☎03-6709-9987または050-3199-1448
18:00~23:00close(日曜~22:00)
水曜休、不定休あり
Instagram:@illato_tokyo

「いばらきの栗フェア」
2021年11月18日(木)~12月2日(木)の期間中、掲載のデザートをコース(9900円)の一品として提供

■谷中「和栗や」

MENU モンブランデセル

自ら栗農家として茨城県笠間市の旧岩間町地区で栗を育て、その魅力を伝えるべく東京・谷中に「和栗や」を開いた竿代(さおしろ)信也さん。注文を受けてから仕上げる、“作りたて”“絞りたて”モンブランブームの火付け役としても知られている。
「栗は、丹沢(たんざわ)を中心に使用しています。早生を代表する栗で香りが強く、お菓子の材料として一番適しているからです」。収穫後、虫止めの燻蒸処理を行うと風味が損なわれてしまうため、鮮度の良いうちに蒸しあげ、グラニュー糖を加えてペーストに。これを急速冷凍して、栗本来の繊細で上品な味や香りをそのまま閉じ込める。

「モンブランデセル」には、このペーストに生クリームを加えた採れたての風味豊かなモンブランクリームをたっぷりと。「絞ったそばから風味が気化して落ちていき、色も損なわれていきます。だから、絞りたてを召し上がってください」。中には、濃厚な旨味を持つ渋皮栗のモンブランクリーム、ふんわりした無糖の生クリーム、軽やかなメレンゲが。口に運ぶと、栗の力強くも繊細な風味と旨味が一気に押し寄せて体中に広がっていく。「栗をよく知っていなければ、栗の風味を生かせません。モンブランの醍醐味は、栗の自然な味わいを堪能すること。豊かな余韻を楽しんでいただきたいと思います」

オーナーシェフであり栗農家・モンブラン職人の竿代信也さん。茨城県笠間市「小田喜(おだき)商店」小田喜保彦さんと出会い、栗の世界への転身を決意して勤めていたデザイン会社を退職。栗農家として栗を栽培するとともに、2010年、日暮里「和栗や」を開店し、作りたてのモンブランを提供。2018年には代々木八幡「Mont Blanc STYLE」をオープン。


◎和栗や 谷中店
東京都台東区谷中3-9-14(谷中銀座商店街内)
☎03-5834-2243
11:00〜17:30LO
月曜休(11月は無休)
https://www.waguriya.com/

「いばらきの栗フェア」
モンブランデセル(ほうじ茶付き1250円)を提供

【問い合わせ先】
茨城県営業戦略部販売流通課
茨城県水戸市笠原町978-6

料理通信メールマガジン(無料)に登録しませんか?

食のプロや愛好家が求める国内外の食の世界の動き、プロの名作レシピ、スペシャルなイベント情報などをお届けします。