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JOURNAL / WORLD

Norway [Oslo]

北欧コーヒーの第一人者が語る 生き残るために必要なのは“複数の足”

Jul 26, 2021

  • text by Asaki Abumi



  • 北欧のスペシャルティコーヒー業界を牽引するティム・ウェンデルボー(Tim Wendelboe)。彼のカフェにも、2020年、パンデミックは容赦なく襲い掛かった。 「オフィスや飲食店は閉まり、店ではテイクアウェイのみ。消費者にコーヒーを直接届ける方法を考え直す必要がありました」
    公式サイトをリニューアルしたり、郵便局の宅配サービス「AMOI」(注)が功をなして、通信販売は順調。同年は記録的な売り上げを成し遂げたという。

    今後、生き残るのはどのような店か。彼はノルウェー語で「オー・ハー・フレーレ・ベン・オ・ストー・ポー(Å ha flere ben å stå på)」と答えた。「立つためにいくつもの足を持つ」――つまり、複数の生存手段、収入源を持ち、リスクを分散するということだ。

    「別の言葉で表現するなら“1つのカゴにすべての卵を入れない”。例えば私たちの店では、①店舗でのコーヒー販売・提供、②通信販売、③サブスクリプション(定額制サービス)、④レストラン・カフェ卸、⑤オフィスコーヒーの提供、⑥教室やセミナーの実施、⑦コンサルタント業、⑧郵便局の宅配サービスを活用、と業務を分散して、危機や社会変化が起きても支障がないようにしています」

    テレワーク普及で、自宅で良質なコーヒーを飲む人は増加した。今後もカフェの需要は続くだろうと彼は見ている。 「良いサービスと商品。なによりも良いリーダーシップと企業体質があれば、賢くて真面目な企業なら、一つか二つの危機は乗り越えられるはずです」

    (注)コロナ危機中に郵便局が立ち上げた宅配サービス。地元の小さな店の食品、本、花などを、郵送エリアの住民に届ける。複数店の注文をまとめることも可能で、早ければ翌日には受け取れる。

    (写真)社会活動にも積極的なティム・ウェンデルボー。「ノルウェー政府は企業を援助する努力をしていたと思います。私たちも一時的に助成金を受け取りました。それでも感染拡大防止対策を真面目に実施する飲食店には、もっといい対応ができたのではないかと思う」。



    ◎Tim Wendelboe
    https://timwendelboe.no


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