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JOURNAL / WORLD

Spain [Madrid]

ダークキッチン隆盛の次は、ダークストアへ

Nov 08, 2021

text by Yuki Kobayashi

デリバリー専門の飲食業、“ダークキッチン(ゴーストキッチン)”がスペイン都市部に登場し始めたのはパンデミック以前だったが、コロナ禍でこの営業形態の増殖は想像以上に早かった。

2020年には、閉店を余儀なくされたレストランのキッチンを複数のブランドが共有してダークキッチン化したり、デリバリーの自転車やバイクの頻繁な往来や1日中匂いがするといった近隣住民への影響など、社会問題としても多く取り上げられた。

2021年に入り、ダークキッチンは一過性の傾向ではなく、ビジネスとして定着してきた。その好例が「クイナ(CUYNA)」だ。このスタートアップ企業のCEOはデリバリー業界や不動産業界の経験者で、レストラン業界とは違う分野からの参入というのも興味深い。マドリードに20のキッチンを装備した営業所を開設し、キッチンレンタル業として同様の拠点を国内主要都市に持つ。デリバリーのみで展開したい飲食ブランドをサポートし、豊潤な投資も得て急成長の予感だ。

デリバリー大手「グロボ(GLOVO)」もこれまでダークキッチンを展開してきた企業の一つだが、同社は2021年末までに“ダークストア”を全世界に200店舗展開すると発表している。ダークストアは、Q-コマースと呼ばれる生活必需品の超スピードデリバリーサービスを提供するための拠点だ。郊外の巨大な物流倉庫に商品をストックするのではなく、需要の多い商品だけを都市部の小さなダークストアに在庫し、注文から35分での配達を可能にする。コロナですべてがスローダウンしていた都市の経済活動は、こうしたサービスの登場で以前にも増してスピードアップするのかもしれない。

(写真)「グロボ」はバルセロナで2015年に起業し、現在世界22カ国300都市に展開するデリバリー大手。



1ユーロ=132円(2021年10月時点)

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