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RECIPE

DIYレシピ03

キャベツと塩だけで作る、イタリア版ザワークラウト

東京・神谷町「ダ・オルモ」北村征博シェフ

Jan 13, 2022

photographs by Hide Urabe

塩蔵、乾燥、発酵・・・調理メソッド&テクニックを身に着けて、普段買っている食べ物を一から作ってみると、自分で味を作る喜びや安心感を得られます。天日に干したり、発酵させたり、自然の力にゆだねるレシピは、人間本位ではない生き方を学ぶ処方箋。シンプルな材料と道具で作れる自家製アイテムをシェフに教わります。

教わるテクニック:発酵
教えてくれたシェフ:東京・神谷町「ダ・オルモ」北村征博さん

東京・広尾「ラ・ビスボッチャ」などを経て00年より渡伊。ロンバルディア「アル・ピーノ」、エミリア=ロマーニャ「パオロ・テベリーニ」、トレンティーノ=アルト・アディジェ「シューネック」で修業し、03年帰国。日本橋「ベアート」(現在閉店)、新宿三丁目「トラットリア・ブリッコラ」シェフを経て、2012年現店開業。


イタリア版、おばあちゃんの“お漬けもの”

僕が修業したイタリア、アルト・アディジェ州のある、南チロル地方一帯で食べ継がれてきたのが「クラウティ」。キャベツを塩漬けにし、発酵させたもので、昔から家庭で愛されてきた自家製食材のひとつです。隣接するスイスやドイツでは「ザワークラウト」の名称でも親しまれていますね。塩加減やキャベツの刻み具合、発酵の加減などは作る人ごとに違い、それぞれの「お家の味」があります。手作りする家庭は減り、既製品の缶詰や瓶詰を使うことが増えているけれど、一方で、今も頑張って作っている家も健在です。いわば、「おばあちゃんのお漬け物」ですね。

冬キャベツが出回る寒い時期がおすすめ

サルシッチャやスペックなど肉加工品に添えて、煮込みやスープの具に・・・付け合わせに、調味料として、野菜代わりのビタミン源として、日々の食卓に欠かせません。キャベツと塩しか使わないし、毎日食べるものなので、馴染みのある塩を使うのが一番。一年中作れますが、水分の多い春キャベツよりも甘味ののった冬キャベツの方が向きます。また、常温で発酵させるため、寒い方が安定した発酵が望めます。

キャベツはしっかり塩で揉んで汁を出すようにし、その汁に浸るようにして発酵させます。仕上がりの目安は、香りと酸味。色が黄色みがかって、ぬか漬けにあるような、キュンとした酸味と乳酸っぽい香りが立ち上ってきたら頃合い。好みのスパイスを合わせて愉しんでください。

料理の展開例:自家製サルシッチャのソテー クラウティ添え・・・サルシッチャなど、肉加工品の付け合わせによく添えられる。脂と塩気を、酸味がさっぱりと切ってくれる。


自家製クラウティの極意


1 繊維を潰し、水気を滲ませるようにしっかり揉む。
2 発酵は常温で。キャベツから出る水分に浸すように。
3 キュンとした酸味と香ばしい香りが出れば仕上がり。

[材料](作りやすい分量)

キャベツ……250g
塩……5g(キャベツ総量の2%)

[1]キャベツを刻む


キャベツの葉を1枚ずつはがす。はがした葉を縦半分に切り、繊維を断ち切るような方向でせん切りにする。

[2]太さの調整で好みの歯触りに

約5~6㎝の長さ、太さは好みで細くすれば早く漬かる。太くすれば、時間はかかるが歯触りのよい仕上がりに。

[3]芯はより細かく刻む


芯は硬いので、別途切り分けてから刻み入れる。細かく薄いせん切りに。

[4] キャベツに塩をふる

大きいボウルに刻んだキャベツを入れ、分量の塩をふり入れる。使い慣れた塩でOK。

[5]握りつぶすように揉む

ボウル全体をかき回しながら、ギュッ、ギュッと握りつぶすように塩をキャベツに混ぜ込んでいく。

[6]目安は透明感が出るまで

キャベツがしんなりとし、水気が滲み出て、鮮やかな色になってきたら頃合い。

[7]保存袋に移す


[6]を、滲み出た汁ごとジッパー付き保存袋に移す。

[8]水気を絞り出す

ギュッと握り固め、キャベツの水分を絞り出すように揉んで、ジッパーを締める。

キャベツの水分が出てくるまで揉む。

[9]常温で1 週間おく

[8]の状態のまま、常温で1週間ほど置く。段々黄色みが強くなり、香りに乳酸っぽさと酸味がのってきたら完成。


◆制作時間:30分~ ◆食べごろ:7日~ ◆保存方法:密封冷蔵で半年程度

 

<クラウティの料理展開例>
クセになる酸味と旨味で、肉料理はさっぱりと、スープやパスタはコク深くまとまります。

クラウティ、スペックとクミンのサラダ・・・せん切りのキャベツを加えればさっぱりとしたサラダに。カリッと焼いたスペック(燻製生ハム)とクミンで、旨味と香りをまとわせ、食欲をそそる味わいに。

ティルトレン・・・パンチェッタとクラウティを刻み合わせ、生地で包んでサックリ揚げたフリット。トレンティーノ=アルト・アディジェ州の郷土料理。

クラウティと豆のスープ・・・豆の旨味と甘味、クラウティの旨味と酸味とが相乗効果となり、とろりと滋味深い味わいに。豆はその時ある種類でOK(今回はビルマ豆)。

クラウティと鴨の燻製のフェデリーニ・・・鴨の胸肉の燻製ハムを、クラウティと軽く炒め合わせてパスタソースに。細麺のフェデリーニに絡め、さっぱりとまとめた。


◎DA OLMO(ダ・オルモ)
東京都港区虎ノ門5-3-9-101
☎03-6432-4073
11:30~14:00(火曜~金曜日)
18:00~23:00(月曜~土曜日)
日曜、祝日休
東京メトロ神谷町駅より徒歩1分
https://www.da-olmo.com/

※新型コロナウイルス感染拡大等により、営業時間・定休日が記載と異なる場合があります。事前に店舗に確認してください。

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